避妊・去勢手術をすることで、雄はおとなしくなり雌は子供を産まなくなります。ただこのこと以上に重要なことは、将来起こるかもしれない病気を予防できる大きなメリットがあると言うことです。
「健康な動物の体を傷つけるのはちょっと」、「自然な状態でなくなるのは、かわいそう」、という方もおられますが、不幸な子犬や子猫を増やさないため、病気にかからず元気に暮らしてもらうためにも早期に避妊・去勢手術を受けた方が良いでしょう。
避妊手術
避妊手術(卵巣子宮摘出術)というのは外科的に雌の卵巣と子宮をとる手術です。手術は通常5~9ヵ月齢から行います。
去勢手術
避外科的に精巣(こう丸)を切除することです。犬・猫は通常6~8ヵ月で性成熟しますが、その直前に去勢手術をすると性本能はおさえられ、雌に妊娠させる事ができなくなります。
▶ 避妊手術のメリット
発情周期が無くなる、望まれない子犬・子猫の出産の防止、高齢動物に多い激しい子宮の細菌感染の防止や乳がんなどの腫瘍の発生率の低下などがあげられます。また、犬では最初の発情が来る前に避妊手術を行った方が良いと言われています。
▶ 去勢手術のメリット
犬は放浪したり、ケンカをしたりする行動を抑制し、発情期の攻撃性が和らぎます。また、加齢とともに増加する睾丸や前立腺、肛門周囲の腫瘍を予防します。猫は生後6ヶ月~8ヶ月で性成熟しますが、その直前に去勢すると性行動が抑えられ、ケンカや夜の散歩など行動が少なくなり、室内でのおしっこかけ(スプレー)行動の減少や尿の臭いも和らぎます。
健康面
肛門周囲の腫瘍・前立腺の病気・精巣の腫瘍などの予防
卵巣の腫瘍・子宮蓄膿症・乳がんなどの予防
行動面
脱走、放浪しにくくなる
一般的に落ち着く
スプレー行動の減少
マーキングが減少する
しつけがしやすくなる
一般的に落ち着く
発情に伴う出血(生理)がなくなる
しつけがしやすくなる
健康面
卵巣の腫瘍・子宮蓄膿症・乳がんなどの予防
行動面
一般的に落ち着く
発情に伴う出血(生理)がなくなる
しつけがしやすくなる
避妊・去勢手術の注意点
まずよく言われるのが「避妊手術したら太った」と聞きます。これは避妊手術により食欲抑制効果のある女性ホルモンの分泌が抑えられた為に食欲増進して、肥満になると考えられています。手術後に節度ある食事量を与えてもらえれば、大多数で肥満は予防できます。他に、尿失禁や攻撃性の強いメス犬では早期避妊によってその攻撃性が強くなる場合があります。また、無駄吠えやマウンティングなどはストレスや学習化なども関連するため、避妊・去勢手術だけでは改善しないケースもあります。