いとう動物病院 - 様々な病気

様々な病気

夏によく起こる中毒のお話

農薬
 夏にかけては、いろいろな種類の農薬が多用されます。なかでも有機リンやカーバメート剤は主要な農薬成分であり、最も頻発する中毒原因の1つです。有機リンとカーバメート剤はともに、経皮、吸入を含むすべての経路からよく吸収されます。摂取後、通常15分〜1時間で発症し、すぐに重篤な症状へと移行します。ムスカリン様症状では、嘔吐、腹部や胸部の痛み、流涎、流涙、下痢、縮瞳、気管支分泌亢進などを起こします。ニコチン様症状では、振戦や痙攣などがみられます。有機リン剤はノミとり首輪などにも含まれているので気をつけてください。
 
殺虫剤
家庭用殺虫剤によく含まれているピレスロイドは、もともと除虫菊の成分をもとにした合成品です。昆虫と異なり哺乳動物では、血中エステラーゼ活性が高いので、比較的耐性です。魚類は感受性が非常に高いことで知られています。症状は流涎、嘔吐、痙攣、衰弱、場合によっては死に至ります。一般的に、ピレスロイド中毒はそれほど深刻ではない場合がほとんどです。
 
ホウ酸ダンゴ
ゴキブリやアリの駆除剤として、ホウ酸ダンゴがよく用いられています。中毒症状が深刻であることは少なく、口腔や消化管の痛み、嘔吐、下痢、流涎がみられます。震えや運動失調、抑うつ状態、発熱などもまれに報告されています。犬の致死量は、ホウ酸塩として3g/kgとの報告もありますが、1.54〜6.51g/kgでも嘔吐より重篤な症状を示さないことがほとんどです。時にはホウ酸ダンゴを作る過程でタマネギを使用していることがあります。この時にはタマネギによる中毒が起こるので注意してください。
 
ナメクジ駆除剤
 ナメクジやカタツムリの駆除剤には、有効成分としてメタアルデヒドが含まれています。駆除剤は嗜好性を高めているので、犬にとってもかなり魅力的なようです。また、キャンプなどで使う固形燃料にも含まれています。胃腸からの吸収率が高いだけでなく、皮膚からも吸収されるので注意してください。症状は不安、泡を吹くなどの軽いものから、血圧下降、頻脈、パンティング、呼吸抑制、高熱、痙攣や振戦、昏睡、致死などの重篤なものまであります。また、肝臓、腎臓あるいは呼吸の各不全により、数日以内に死亡する場合もあります。メタアルデヒドの致死量は犬で100mg/kg、猫で207mg/kgです。ただし、犬で60mg/kgでも死亡例が報告されています。



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