▶ フィラリア症とは?
フィラリアは蚊が媒介し、細長いそうめん状の線虫(フィラリア)が、心臓や肺動脈(心臓と肺を結ぶ太い血管)などに寄生する犬の代表的な病気です。元々犬に寄生するものですが、猫や他の動物にも寄生することもあります。
▶ 症状
フィラリアが寄生すると心臓の働きが弱くなることにより様々な症状が発生します。症状が軽いときは咳を時々するくらいですが、症状が重くなると咳がひどくなり運動を嫌がるなどの症状を示し、お腹に水が溜まったり、失神したりすることもあります。また、フィラリアの寄生する場所、成虫の数、犬の体格などによっては急激に体調が変化し死に至る事もあります。
主な症状
物が詰まったような咳をする
食欲が無くなる
運動をしたがらない
体重が減る
毛艶が悪い
口・目などの粘膜が白っぽい
尿が赤みを帯びる
腹水が溜まる
▶ 検査について
フィラリア症かどうかは、血液の抗原検査によって、採血後10分ほどですぐに診断できますが、時々「昨年もちゃんと薬を飲ませているのになぜ検査が必要なんですか?」との質問を受けることがあります。確かにしっかり予防ができていれば検査の必要はありませんが、飼い主さんが見ていないところで薬を吐いてしまったり、体調が悪いときに飲ませたことにより薬が効いていないことも考えられます。もしフィラリアに感染しているのに駆虫薬を与えてしまうと場合によっては思わぬ副作用がでてしまう可能性がありますので、フィラリアの薬を処方する前には必ず血液検査をする必要があります。
▶ フィラリア症の予防
フィラリア症は恐ろしい病気ですが、体内にいる子虫(ミクロフィラリア)を成虫になる前に駆除するお薬でほぼ100%予防できます。
最近は錠剤、おやつ、スポット、注射の4種類のタイプのお薬をお選び頂けるようになりましたが、それぞれメリット、デメリットがあります。当院ではお薬の特徴をよくご理解頂いたうえで、飼い主さんが一番投薬しやすいお薬をお選び頂くようにしています。ただし当院では注射の予防薬は行っておりません。